創業者・原田亜紀夫よりごあいさつ
創業メンバーは「50代カルテット」
51歳の誕生日を迎えた直後の2023年6月16日、Pen&Co.(ペンアンド)株式会社を設立しました。一言でいうと、「ペンの力で、心を動かす」会社です。「書くこと」に慣れていない、苦手に感じている、もっと的確に表現したい、そんな企業や団体、個人に対して、新聞記者時代に培った「ライティング」のスキルで貢献していくことを目指します。
創業メンバーは、自分より少しだけ「お姉さま」の女性3人と、自分の50代カルテット。電通の先輩にこのことを報告したら「モテモテだね!」とからかわれ、大量の汗が噴き出てきました。男子校出身の自分にまさかこんな日が訪れるとは。人生とは、つくづくわからないものですね。セレンディピティの連鎖のようにも感じるし、人の縁が地続きでつながって今回のスタートアップにたどり着いたようにも思えます。
朝日新聞“同窓”の多田と「アルムナイ起業」
共同創業者で代表取締役CEOの多田は、朝日新聞社時代の先輩です。でも、同じ職場で同時期に働いたことはなく、2020年春に自分が退社した後もしばらく、面識はありませんでした。
知り合ったきっかけは、朝日新聞社を「卒業」もしくは「中途退職」したOB・OGでつくる「朝日新聞社アルムナイグループ」です。当時、私が業務委託で受けていた執筆のサポートをしてくれる人材を、アルムナイのFacebookグループで募集したことがありました。2022年11月のこと。その時、真っ先に手を上げてくれたのが多田でした。
朝日新聞社で記者経験も編集者経験もある多田ですが、2005年に12年あまり勤めた朝日をすぱっと辞めてしまいました。その決断は、パリの名門料理学校「ル・コルドンブルー」に製菓留学するためだったとか。それだけでもかなり破天荒なのに、その後は、京都の長屋をアトリエにして料理教室を開いたと思えば、インドに旅立ち、商社やコンサルでグローバルなキャリアを重ねながら、お菓子や料理にまつわる発信を続けてきたことを知り、驚きました。翻訳本を含めた著書も8冊あり、「表現者」としてたくましく人生を切り開いてきたところにリスペクトを覚えました。
多田は、のんびり屋の自分の尻を叩くにはうってつけの「直情径行」の性格です。自宅にテレビがない生活を15年以上送っているそうで、WBC日本代表でロッテのエース、佐々木朗希をつい最近まで知らなかったぐらい「天然」です。それでも、未来志向でポジティブで、繊細で負けず嫌いで、グローバルな感覚を大事にするところは自分と似ています。
そんな多田がCEO(「役職はコイントスして決めた」と言っています)、彼女の親友で幼なじみの柴原絵美子がアドミンマネジャー、多田が信頼を置く仲野恭世がクリエイティブディレクターの布陣。女性3:男性1によるスタートアップは冷やかされることも多そうですが、なんだか時代を先取りしているようにも思えて、気に入っています。
フラッグシップ・コンテンツ【ペンスポ】2023年7月26日創刊へ
社会は成熟し、日本経済はもたつくなかで、不正確な情報、テンプレ・コピペが氾濫しています。それが、手垢でまみれた使い古された表現、「横並び」の没個性的なコンテンツの量産につながっています。一方、時代は個性と、唯一(オンリーワン)を求めています。Pen&Co.株式会社も「自分たちの強み」を尖らせて、社会貢献することを意識しました。私たちの「市場価値」は何か。そして、私たちたちだからこそできることは何か。たどり着いた結論が「ペンの力」でした。
私は周囲の人に恵まれ、育てられ、エージェンシー(電通)、メディア(朝日新聞社)、チーム(SailGP日本チーム)、オーガナイザー(東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会)と4つの立場で、スポーツ業界の階段を駆け上がってきました。そしてキャリアの中心には常にスポーツ、そしてオリンピックがありました。
その集大成として、今度は何に挑戦するか。取り組みの一つとして、スポーツ特化型・バーティカルメディア「Pen&Sports【ペンスポ】」を立ち上げます。創刊はパリ五輪開幕の1年前、2023年7月26日としました。ペンの力でスポーツの魅力と価値を伝え、スポーツを愛するすべての人をエンパワーメントしていきます。Pen&Co.株式会社のフラッグシップ・コンテンツとして時間をかけて育てていく計画です。私の身近には素晴らしいスポーツライターがたくさんいます。近い将来、そんな方々を巻き込みたいと考えています。
新会社設立の節目にあたり、これまで仕事や取材でお世話になり、自分に影響を与えてくれたみなさんのひとり一人の顔がいま改めて思い浮かびます。
&の続きはご一緒に。新会社名に込めた余白には、これからみなさんとの新しいストーリーを埋めていけたら。スタートを告げる乾いたピストルの音を待ちながら、靴紐を結び直すような境地です。